T01 / 二重入力・転記

情報の持ち方

同じ内容を何度も入力している。どうしたらいい?

ANSWER

同じ情報は、できるだけ一度だけ入力し、 ほかの帳票や一覧ではその情報を使うようにします。 二重入力があるとき、 「入力を速くする方法」を考える前に、 そもそもなぜ同じ情報を何度も入力しているのか を確認することが大切です。

よくある状態

  • 得意先名や住所を、営業用・請求用・案件管理用など複数のExcelに入力している
  • 受注内容をメールからExcelへ、さらに別のExcelへと2段階で転記している
  • Excelに入力した内容を、会計システムや勤怠システムにも同じ内容で入力している
  • 紙の伝票に書いた内容を、あとからまとめてPCへ入力している
  • 同じ数字(売上・件数など)を、複数の報告資料へ手作業でコピーしている

なぜ起きる?

同じ情報を、 それぞれのファイルやシステムが別々に持っているためです。 たとえば得意先名を、 営業用Excel 請求用Excel 案件管理Excel の3か所へ直接入力していれば、 社名が変わったときに3か所すべて直す必要があります。 得意先の異動・社名変更・担当者交代が月に数件あるだけでも、 「3か所 × 件数」の修正作業が毎月発生することになります。 問題は入力作業の手間だけではなく、 「どの情報が正しいのか」 が分からなくなることにもあります。3つのExcelのうち1つだけ直し忘れると、 請求書の宛名や金額が古いままになり、後から気づいて修正する二度手間も生まれます。

どう考えればいい?

まず、 「この情報は、どこを正しい情報として管理するのか」 を決めます。 たとえば得意先情報であれば、案件管理Excel・請求システム・会計システムのうち どれか1つを「正」と決め、残りはそこから参照する側に回します。 そこへ一度登録した情報を、 ほかの帳票・一覧・システムが利用できないか考えます。 すべてを一つのシステムにまとめる必要はありません。 重要なのは、 同じ情報を複数の場所で別々に管理しない ことです。

たとえば

たとえば、得意先名を営業用Excel・請求用Excel・案件管理Excelの3か所に それぞれ手入力しているケースを考えます。 この場合、まず案件管理Excelを「得意先情報の正」と決め、得意先の一覧(得意先マスタ) をそこにまとめます。営業用・請求用の2つのExcelは、直接入力するのをやめて、 案件管理Excelのシートを数式で参照する形に変えます。 こうすると、得意先の社名が変わったときの修正は1か所だけで済み、 請求書に古い社名が残ったまま送ってしまうミスも防げます。

まず何をする?

  1. 同じ内容を2回以上入力している場所を探す。
  2. その情報の「正しい管理場所」を一つ決める。
  3. ほかの場所で再入力せず、参照・連携できないか考える。

やってはいけないこと

二重入力の仕組みをそのままにして、 RPAや自動化ツールで入力だけ速くすること。 入力作業は減っても、 情報が複数箇所に存在する問題は残ります。 次に得意先名や単価が変わったとき、 結局すべての場所を確認して回る必要が残ってしまいます。

どんな方法が使える?

Excel / Googleスプレッドシートの参照

別シート・別ファイルの内容を数式(VLOOKUPやIMPORTRANGEなど)で呼び出す、最も手軽な方法。

マスタ管理

得意先・商品・単価など、正とする基本情報を1つの一覧にまとめる考え方そのもの。

SaaS

顧客管理・案件管理などの既製クラウドサービスに、正の情報を持たせる。

API連携

システム同士を自動でつなぎ、片方に入力すればもう片方にも反映されるようにする。

GAS(Google Apps Script)

スプレッドシート間のコピー・反映を自動化する簡易なプログラム。

AppSheet

ノーコードで、入力画面と一覧をまとめて用意できるツール。

CSV連携

定期的にデータを書き出し・取り込みして、システム間をつなぐ。

個別システム開発

既製のツールでは業務に合わない場合に、専用の入力・参照の仕組みをつくる。

自社だけでできる場合

同じExcel内や、少数のファイル間だけで二重入力が起きている場合。数式による参照だけで解決できることが多い。

外部支援を検討した方がいい場合

複数部署・複数SaaS・基幹システムなどが絡み、どこを正しい情報として扱うべきか決めにくい場合。