「この仕事は、あの人に聞かないと分からない」。
多くの会社で、こうした場面は珍しくありません。
担当者が休んだり退職したりすると、とたんに業務が止まってしまう。これが属人化のリスクです。
属人化はなぜ起きるのか
属人化は、誰かが手を抜いた結果ではなく、多くの場合、担当者が工夫して効率よく仕事を進めた結果として起こります。
慣れた人が自分のやり方で進めるほうが早いため、手順を書き残す余裕も必要性も感じにくくなります。
その状態が続くと、いつの間にか「その人にしか分からない仕事」ができあがります。
属人化のリスク
属人化した業務には、次のようなリスクがあります。
- 担当者が休むと、その業務全体が止まってしまう
- 引き継ぎに時間がかかり、教える側・教わる側の双方に負担がかかる
- やり方が個人任せのため、無駄があっても気づかれにくく、改善が進まない
「今のところ困っていない」状態でも、担当者が一人しかいない業務は、常にこのリスクを抱えています。

担当者が一人しかいない業務ほど、不在時の影響が大きい
何から始めればいいか
属人化の解消というと、全業務のマニュアル化を思い浮かべるかもしれません。
しかし、すべての業務を一度に洗い出そうとすると、範囲が広すぎて手が止まってしまいます。
最初にすべきは、社内の業務を「誰が担当しているか」で見渡し、次の条件に当てはまる業務を一つ選ぶことです。
- 担当者が実質1人しかいない
- その業務が止まると、影響が大きい
- 手順が頭の中にしかなく、書き残されていない
この一つの業務について、手順を書き出し、他の人が同じ手順で対応できるかを試してみます。
一気にマニュアル化しなくてもいい
書き出した手順は、細かすぎる必要はありません。
まずは、判断に迷う分岐点や、担当者だけが知っているコツを中心に残せば十分です。
一つの業務で「引き継げる状態」を作れたら、同じ進め方でリスクの高い業務から順に広げていきます。
まとめ
属人化は、誰かの怠慢ではなく、日々の工夫の積み重ねの結果として自然に起こります。
放置すると、担当者の不在で業務が止まるだけでなく、改善もしづらい状態が続いてしまいます。
最初の一歩は、全業務の洗い出しではなく、リスクの高い業務を一つ選び、手順を書き残すことです。
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